ヌシと茶タロ

ヌシと茶タロ

6畳1Kの賃貸生活から未だ抜け出せずにいる ヌシと茶タロの日常ブログ

ヌシと茶タロのプロローグ<後編>

「いえ違うんです。ゴハンあげてないです!あの、子猫を連れて帰りたくてっ💦」背後から迫り来る男性に、咄嗟に言い訳する私…

(いやまて、私 悪いことしてないし、何 言い訳してんだっ 何も慌てる必要はない!) よく見ると声を掛けて来た、男性は公園の管理人ではありませんでした。

「ああ、子猫 連れて帰るんですか。捕まえてあげますよー」

と男性は、慣れた様子で背負っていたリュックから、お皿とカリカリを出して「ちび、ちびっ ゴハンだよ。さあ、おいで」 と、茶トラの子猫に呼びかけました。

(人馴れしていたのは、この男性がお世話をしていたからなのか)

茶トラの子猫が、カリカリごはんに近づき、男性が子猫の首根っこを抑えようとした瞬間、ものすごい勢いで茶トラ子猫が逃げ出したんです。

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もうね、ひきましたよ私。子猫なのに、あんな勢いでダッシュするって…ビビって私、もうこの子猫 連れて帰れなくていいやって思いました。

流石に、男性もあんな勢いで逃げられたら、捕まえられないだろうと思ってたら、茶トラの子猫 一周まわって戻って来ちゃったんですよ

男性の目の前まで…貴様、天然なのか!

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で、あっさり捕まってしまい、カバンの中に入れられてしまいました。

わー私、マジで この子猫 連れて帰るんや…という何とも言えない不安な気持ちでいっぱいでした。

 

ここから、ちょっと暗い話

そこで、男性から 大変怖い話を聞いてしまったんです。

それは、公園側が増えすぎた猫の数を減らすため、猫のごはんに 薬を混ぜて弱らせているという話です。この男性は、猫の保護活動をしており、今回の公園側の対応について抗議している最中だそうで。

茂みのさらに奥、男性の指差す方を覗いてみると、薄汚れた白い子猫がぐったりと横たわっていました…茶トラの子猫とよく一緒にいた あの白猫の子猫です。男性が ご飯の入ったお皿を鼻先まで持っていっても 身動きせず 少し開けた目をすぐまた閉じてしまいました。

「もう、この子はダメだ。その子は、まだ元気だから、連れて帰って可愛がってあげて」 そう男性に言われ、私は お礼を言って その場から立ち去りました。

公園の掲示板には、猫の糞尿の匂いに対する苦情の張り紙がされていましたし、至る所に『餌やり禁止』の立札がありました。 苦情の対策の一環として、猫を弱らせたのでしょうか…私が自分の目で見たわけではないので、何とも言えません…事実なら、とても悲しいことです。

そして、たった一匹の子猫しか保護することができない自分も、無力だと感じました。時々 思い出すのです…あの時 弱っていた白の子猫も一緒に保護していたら、どうなっていただろうって。

 

暗い話 おわりっ! その日は、仕事なんて放り出して、そのまま動物病院へ突撃。

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はじめての動物病院 ちょっとドキドキ 「あの、子猫を拾ったんですけどぉ」と私

受付のお姉さん爽やかな笑顔で「猫ちゃん、拾われたんですねーどんな状態か先生に診察してもらいますので、問診票を書いて お待ちくださいね」とテキパキ対応。

順番が回って来て、診察室に入ると、「体重を計るので、猫ちゃん出してもらえますか?」 との お言葉に 子猫に触り馴れていない私は しばしポカーン。  

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子猫をなかなか出せないでいると 察してくれた看護師さんが あっさり子猫をカバンから出してくれました。

そこで一言「あらーオシッコしちゃったのねー」

えーーー?マジですか?! 濡れた子猫のおしりを拭いてくれた上に、汚れたカバンまで掃除してもらって、すみませんっすみませんっ と平謝り。

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そこへ先生登場。

「いやー可愛い顔してるね この子…うん、体格もしっかりしてそうだし、診た感じは健康そうですね!でも、本当に可愛い顔やねー」

先生に褒めちぎられつつ、血液検査&ノミダニ駆除薬の投与をしてもらい、今後の育て方や、予防接種・去勢手術についても色々とお話を伺うことが出来ました。

とうに、診察時間も過ぎていたのに、先生もスタッフさんも丁寧に対応してくれて、本当に助かりました…感謝です。

仕事を投げ出しても、文句を言わない上司にも、ちょっぴり感謝。(いやいや、この上司のせいで、ストレス溜まりまくりで猫に走ったんだから、感謝しなくていっか)

嬉しいことに、血液検査の結果もすべて陰性でした。これで一安心です。

…いや、まだ問題が残っていました。 私の借りているマンションはペット不可…先程からひっきりなしに鳴いている子猫を私の部屋に連れて帰ることは出来ません。

そこで私は、実家の母にメールをしました。

「今日の夜、そっちに寄るから晩御飯 用意しといて」とな

この時、母は平日の夜に来るなんて、何やろ…と不審に思ったそうです。

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母からの了解のメールを確認し、大急ぎでホームセンターで フードにトイレ…必要になりそうな物を、片っ端から購入しました。 (大人買いみたいな)

無知な私は、この時 犬用の一段ケージを買ってしまい、役に立たず 後にフリーマーケットで売り払うことになりまする。

そして、マイカーに大量の猫用品を積み込み、今度は自分のお泊りセットをマンションに取りに立ち寄り、安全運転に気を配りながら、ようやく実家にたどり着いたのは夜の8時過ぎでした。

(車の運転が 大の苦手な私は、後にこのマイカーも手放すのですが、後にも先にも車があって良かったと思ったのは、この時だけだった気がします。)

けっこう クタクタですわ。 実家の前で、猫用品を黙々と降ろしていたら、母がでてきて おったまげ。

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「なんで、うちにこんな猫のものを!うちは物置じゃないのよ!!まだ、猫も飼ってないのに何してんの!?」と怒る母

私の母は 猫嫌い。私が、猫を飼いたがっているのは知っている。ペットショップに子猫を見に行ったが、お目当ての子猫が見つからず、猫を飼うのを保留にしているというところまではご存知だ。

母は、この状況を 私がまだ猫を飼ってもいないのに 猫用品を先走って買い込み、自分のマンションに置く場所がないから実家に持って来たんだと思っていたようです。

だが、この後 母の想像を超える事態となるのだ ウフハハ

母の怒りを受け流しながらも、ひたすら荷物を降ろす私。最後に子猫の入ったカバンを玄関に置き、駐車場にマイカーを入れに行こうとする背後で、母の叫び声が聞こえました。

「ぎゃーーー 何これ!!!」

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車を置いて戻ると、2階の空き部屋で爺が、せっせとケージを組み立てていました。

この“爺”とやらは、私が成人して家を出てから 母と再婚した人で私とは、血の繋がりもなければ戸籍上の繋がりも 全くありません。

もちろん、この実家と呼んでいる一軒家も 再婚前から爺が所有しているものです。 なのですが、このように 末娘の私のやる事には逆らえず、2階の空き部屋は しばらくの間 子猫と私に不法占有されることとなりまする。

出来上がったケージに、子猫を放つと

「何この猫!!こんな大人の猫なんか 拾ってきて !!!」と怒りの母

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子猫は推定 生後5〜6ヶ月、そりゃあ ペットショプでみかける子猫より大きいですけど …お母さん、それでも この子は正真正銘の子猫ちゃんなんです。

こうして、拾われたきた 子猫は 茶トラの茶太郎という安易な名前をつけられ 1ヶ月ちょっとの間、一軒家での居候生活を送ったのち、6畳1Kの狭小賃貸物件に移り住むのでした。

最後まで、読んで頂きありがとうございました。

こちらは、茶太郎くんを保護した日の真夜中の動画です。

youtu.be

母のコメント 「そうね、今みたら子猫に見えるわ。この頃は可愛いかったわ。」